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Introduction

Written by ボカロクリティーク編集長 島袋八起


 ボカロクリティークは二〇一一年六月一二日に開催された文学フリマにて頒布された。10部くらい売れたらうれしいと思って39部刷っていったものが全部はけてしまった。本誌はその増補版である。ボカロクリティークの成立は「筑波批評」のシノハラユウキさんの協力とじゃぶらふきゅーさんの応援が一端を担っている。 

 その日ボーマス16も開催されていた。中村屋さんはボーマスで大量のCDを購入したその足で池袋から蒲田まではるばるやってきてくれて、コーヒーを飲んだ。その後の『VOCALO CRITIQUE Vol.01 創刊号』(二〇一一年九月四日)も、それから上述の冊子の増補版としての本誌『VOCALO CRITIQUE Pilot』も、表紙イラストのころっぷさんによる描きおろしもそのように行動的な中村屋さんの提案によって成立した。

 本誌を通読すれば明らかなように、本誌の執筆陣はボカロからアウェイなところから書いている。そのことは、その成立の場所がボーマスではなく、文学フリマにあったことからもわかる。中村屋さんの思いはそれをボカロコミュニティの中へ持ち込んだ。「ボカロコミュニティの中へと持ち込むということは、必然的におっさん(つまり収入のある大学生・社会人)と女子高生(つまり男女中高生)に読まれることだ」という指摘を、とある方にいただいた。本誌に僕が書いたくちばしP「私の時間」論は高校生に読まれてほしいと思って書いた。音楽にすべてをかけていた中高校生のころの自分が興奮してよめる評論たち。それが自分のいつか目指すところである。
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CRITIQUE VOCALO,
2013/11/16 1:50